こんにちは!ケトルベルインストラクターの樋口です。
今回は、ケトルベルではなく「バーベル/Barbell」トレーニングについて、です。
SWING FITNESSはケトルベルを中心としたトレーニングが特色ではありますが、
バーベルトレーニングも行っております。
バーベルトレーニングとは
「筋トレ」といえば、このバーベルを使ってベンチプレスやスクワットを行うイメージが思い浮かびますよね。
私もケトルベルに出会うまでは、バーベルトレーニングに励んでおりました。
バーベルとケトルベルの違い
バーベルもケトルベルも同じフリーウエイトですが、それぞれに特色がありトレーニング内容に合わせて使い分けます。
ではどのように違うのかをまとめてみました。
1.形状と重量
・バーベルは、鉄の棒(シャフト)の両端に丸いプレートを付けたもので、ウエイトトレーニングやパワーリフティングなどで使われているトレーニング器具です。
プレートの重さは、1.25㎏、2㎏、5㎏、10㎏、15㎏、20㎏、25㎏など、様々な重量があります。シャフトの形状も、ストレートなものや湾曲しているものがあります。
・ケトルベルは、鉄の球体にグリップがついた形で、重量は4㎏、8㎏、12㎏、16㎏、20㎏、24㎏、32㎏などがあり、ウエイトトレーニングにも使いますが、体幹トレーニングなどのファンクショナルトレーニングで使われることが多いです。
素材はザラザラしているもの、エナメルコーテイングされているもの、女性向けのカラフルなものもあります。
最近ようやくトレーニングジムのフリーウエイトのコーナーに置いてあるのを見かけるようになりました。
2.メリット
続いてバーベルとケトルベルのそれぞれのメリットについて紹介します。
バーベルトレーニングのメリット
1.高重量でのトレーニング
バーベルトレーニングの最大の効果は、
両手を使うことで高重量が取り扱えることです。
それにより、筋肥大効果が大きく、大胸筋や大腿四頭筋などの大きな筋肉をパワーアップさせるためのトレーニングに適しています。
パワースポーツをされている方やマッチョになりたい方には高重量のトレーニングは必須といえます。
2.安定した軌道でのトレーニング
シャフトを両手で上げ下げするシンプルな動作のため、軌道も安定しやすく初心者にもトレーニングがしやすいといえます。
ケトルベルトレーニングのメリット
1.バーベルより軽い重量で多機能トレーニング
・片手で持ち上げたり、振ったりするため
バーベルより軽い重量でトレーニングが行えます。
軽いといっても、動きの中に遠心力が加われば実際の重量よりも重くなりますし、片手で20㎏を両手で持つと40㎏になりますので、バーベル並みに負荷がかかることもあります。
筋肥大には向かないといわれていますが、どの程度大きくなりたいかにもよるでしょう。
ボクシングなどの階級制のスポーツでは、筋肥大し過ぎないためにケトルベルトレーニングは最適です。細マッチョを目指す方にもお勧めです。
※私が渡米した際に通っていたニューヨークのジムは、ムエタイ、柔術など格闘技専門のジムでしたが、ケトルベルのクラスがあり盛況でした。上の写真の女性はプロキックボクシングの選手で、ケトルベルのクラスの指導をしています。
・ケトルベルはグリップがついているため持ちやすく、トレーニングやエクササイズの数が豊富です。
軽い重量は4㎏からあるので、女性向けのエクササイズや高齢者のリハビリとしても多用されています。
2.不安定な形状で多機能トレーニング
球状にグリップがついていることで持ち上げるとグラグラして重心が取りにくく、取り扱いが不安定になります。
そのため体幹の強化、関節の安定性や柔軟性の向上、運動機能向上のトレーニングとして、競技だけでなくリハビリにも利用されるなど用途が広く、万能なトレーニング器具と言われています。
3.デメリット
バーベルトレーニングのデメリット
1.高重量でケガのリスクが大きい
・高重量でのトレーニングは、筋肉や関節への負担が大きい。
・初心者は適切なフォームが取れずケガに繋がることがある。
・若く元気なうちはよいのですが、年を取ると加齢による骨や腱などの老化によりケガを起こしやすい。
適正な重量設定と適切なフォームができなければ、リスクが高いといえます。
私自身、年齢を考えずハードなトレーニングを行ったせいで、腰部椎間板ヘルニアを発症した苦い経験があります。初心者でなくても、ベテランのトレーニング愛好者にも「やり過ぎた」痛い経験をお持ちの方は少なくないでしょう。
2.トレーニングの種類が少ない
・高重量、しかも両手で行うため、ケトルベルに比べてできることは少ない。
・関節の可動域が限られ、動きもシンプルなため、効かせられる筋肉もアウターマッスルがほとんどです。
ケトルベルトレーニングのデメリット
1.高重量ではできない
・片手で行うため、高重量のトレーニングはできないので筋肥大やパワーが最大の目的であればバーベルの方が効果はあるでしょう。
2.初心者にはやり方が分かりにくい
・個人差はありますが、動作とフォームを覚えるのに要領がいります。
・ケトルベルの動画などで見たイメージで自分で行っても、正しい動作になっているのか分かりにくい。そもそもその動画で行っている動作自体が正しい動きなのかどうかの判断がつかないといったこともあります。
・教えてくれるところがない!
私自身日本でケトルベルの指導を行っているところがなかったので、渡米して資格を取りました。
(最初はYouTubeで動画を見てやっていたのですが、そこで見つけたケトルベルのマスターインストラクターにメールを送って直接指導してもらい、資格を取得しました。)
以上のようにバーベルトレーニングとケトルベルトレーニングは、それぞれに特徴、得意・不得意があります。
大事なことは、どちらも適切な内容で正しいトレーニングを行えば、素晴らしいトレーニングとなるということです。
SWING FITNESSのバーベルトレーニング
初心者の方が安全に行えるようなトレーニング
SWING FITNESSでは、運動経験のない方やジム初心者の方がすぐにバーベルトレーニングを行うことはありません。
まずは[体がトレーニングに慣れる=全身の筋肉や関節などが負荷に慣れ、筋力や運動機能などが向上した]段階を経た後にスタートします。
また、体幹ができていないとケガのリスクが大きくなりますので、ケトルベルやプランクなどの体幹トレーニングを必ず準備として行っています。
さらに、大切なことは呼吸です。
高重量に耐えられるような体幹を作るには、腹圧を高め脊柱を守ることが重要です。
トレーニングを行う前に「呼吸法」をしっかりとマスターしていただき、ケガや故障のリスク予防を行っています。
バーベルデッドリフト
バーベルトレーニングの最初に取り組むのは、デッドリフトです。
正しいフォームでケトルベルデッドリフトができるようになり、ある程度体幹や全身の筋力がついてからバーベルデッドリフトを始めます。
※最初はプレート無しでシャフトを持ち、フォームの練習から始めます。
※初心者は30㎏位から始め、徐々に重量を増やしていきます。
バーベルデッドリフトのやり方
①シャフトに足が触れる位の位置に付き、脚は肩幅より広くスタンスを取って、つま先をやや外に向けます。
②両腕は肩幅に開きグリップを握ります。
③リラックスして息を吸ってから腹圧を高めます。目線は1m先を見ます。
※この時に腰が丸くなったり、背中を反ったりしないように注意しましょう。
④少し腰を落とし、目線を正面に移します。
⑤息を吐きながら、足裏で床を押して立ち上がります。立った時の目線は正面です。
※頭頂から踵までまっすぐに姿勢よく立ちます。
以上、バーベルトレーニングとバーベルデッドリフトについてご説明しました。
トレーニング初心者の方がバーベルトレーニングを行うには、パーソナルトレーナーに正しいフォームと適切なトレーニング内容を指導してもらう方が良いと思います。
☆ご質問などは、メールで受け付けておりますのでお気軽にどうぞ!